高齢者に適切な介護サービスを提供するためには、個々の利用者の症状や特性、好みなどを確認して、上手く意思疎通が図れるように検討することが重要です。
そして、利用者のライフスタイルや健康上の問題点についても、ミーティングや申し送りなどできちんと共有し、スタッフ全員が利用者のことを把握できるようにしましょう。
また、重度の認知症の方がいる特別養護老人ホームなどの施設では、認知症に関する正しい知識を身につけられるよう、全てのスタッフを対象とした研修を行ったり、医師や看護師によるセミナーが開かれたりしているので、自分の介護スキルに不安がある場合には、職場選びの際には研修制度についてもチェックしておきましょう。
それから、認知症の方を介護する場合には、進行するにつれて徘徊などの問題行動が目立つようになるので、安全上のリスクをきちんと認識したうえで、職種を超えて各スタッフがこまめに声掛けをしたり、施設内の見回り回数を増やしたりすることも大切です。さらに、利用者の家族やかかりつけの医師、ケアマネジャーなど、さまざまな立場の人とコミュニケーションを取りながら、安心安全な介護サービスを選定しましょう。
認知症のタイプによっては、投薬治療をはじめとする専門的な治療を行うことで、症状の悪化を遅らせることも可能なので、それらも踏まえたうえで、利用者にとって最善の選択をすることを、介護職は忘れてはいけません。